焼肉屋を営業する場合、煙の処理は最も重要だと言っても過言ではありません。
多くの焼肉店が使用している無煙ロースターですが、ダクト式とノンダクト式ではどのような違いがあるか知っていますか?
ダクト式については、更に上引きフードを使うタイプと下引きフードを使うタイプに分けられ、煙の処理の方法について様々な違いが出てきます。
無煙ロースターを使う場合に、どんな違いが生まれてくるのかご紹介するので、煙の処理について考えている方は参考にしてみてください。
「ダクト式無煙ロースター」は、煙を焼き台近くの排気口から吸って、ダクトで屋外に逃がす方法で排気しています。
「ノンダクト式無煙ロースター」は、煙や臭いをロースター本体で除去するタイプなので、ダクト工事が難しい店舗で使われることが多く、テーブルを移動させることができるのも魅力の一つです。
それぞれの無煙ロースターを煙の処理の方法を中心に比べていきましょう。
ダクト式無煙ロースターは店内に排気ダクトを配管し、煙を処理する方法です。
排気ルートの定期的なメンテナンスをする事で、安定した排煙効果が得られるのが特徴です。
ロースターと屋外に設置した排気ファンとをダクト管で接続して、天井や床下に設置された排気ダクトから焼肉の燃焼時に出る煙を排気ファンの吸引力で屋内から屋外へ排出します。
様々なバリエーションがあり、デザインや演出、使い勝手、コストなどから要望に合わせたものを選べるので、無煙ロースターを使っている焼肉店の大半は、ダクト式無煙ロースターを設置しています。
その中でも、天井を通す上引きフードタイプと床下を通す下引きフードタイプがあります。
無煙ロースターのテーブル上の焼き面から天上から下りてきたフードを通して煙を上に吸い上げる排煙フードです。
フードの照明から煙を照らす演出ができ、ダクト式の中では低コスト運用でき、清掃も比較的簡単です。
無煙ロースターのテーブルで吸気した煙を、床下に通した排気ダクトから店の外に出すタイプです。
床下に排気ダクトを通すため店内はすっきりした印象になります。
天井に配管できない場合や、店内のデザイン性や雰囲気を重視する場合はいいかもしれません。
ノンダクトロースターは、発生する煙をロースター内部の電気集塵機を通過させる事により煙を吸着させ、フィルターを通過させる事で臭いを軽減させることができます。
名前のとおり排気ダクトを設置する必要がないため、コスト面に違いが生まれるほか、ダクトを設置するスペースが必要ないので店舗の空間が広く使用可能。
ダクト配管で店内のスペースを圧迫することがないので、厨房スペースをコンパクトにしたり、ダクト工事が不要だったりするので厨房設備費を削減することができます。
煙を処理する機能が無煙ロースターのテーブル内に組み込まれているので、自由に移動することができ、その場に応じたレイアウトに変更することができるのもメリットの一つです。
このような特徴から、キャスター付のノンダクト式無煙ロースターはホテルのパーティー会場や宴会場で使われたり、排気ダクトを設置できない店舗に使われたりします。
ただ単に煙は店の外に出せばいいというわけではありません。
近隣住民や環境にも配慮した形でなければクレームに繋がり、営業を続けることが困難になってしまいます。
煙をクリーンな空気に戻すための消煙装置や消臭装置の種類についても触れておきたいと思います。
ダクトを通じて外に排気する前に通過させることで煙を除去する装置です。
油分を含んだ重い煙などは集塵セルを通過させる事により、煙を消すことができます。
これにより吸気口から再度吸い込まれることがあっても煙が店内に入ることがなくなります。
煙の逆戻りといったことも装置を通すことで解消することができます。
消臭装置は2種類のタイプがあるのでそれぞれ簡単に比べてみたいと思います。
取り付けが簡単で本体はコンパクトなものが多いです。
設置工事も簡単で、基本的に電源不要で後付け設置の場合も容易にできるのが特徴です。
メンテナンスは簡単で、数ヶ月毎に消臭剤の交換やフィルターの清掃を行うだけで済みます。
取り付けは簡単にでき、排気ダクトの末端に設置します。
給排水や電源工事は不要ですが、排気ダクトにより、排気ファンの取替えが必要な場合があります。
特徴としては触媒や吸着剤を使うことにより8割から9割程度脱臭することができます。
脱臭性能を求めるなら、中和消臭方式よりも脱臭フィルター方式の方がおすすめです。
煙の処理方法だけでもダクトタイプで分けると3種類に分れました。
無煙ロースターの煙の処理方法の違いについて知ってもらえたでしょうか。
どんな方法を採用するかによってお店の空間作りにも影響するのでよく考えて選びたいですね。
店舗によって制限がある場合でも、ノンダクトタイプの無煙ロースターであれば運用できる場合があるので、賃貸契約が難しいテナントでは検討してみるといいでしょう。
周辺環境に配慮した排煙方法で、周りからも応援されるお店作りをしていきたいですね。