焼肉店経営者や従業員のみなさんは、「どうすればおいしく調理できるのか」を日々考えながら、自分たちなりの方法を工夫して料理とサービスの提供をされていると思います。
肉の仕入れや下準備、ロースターの使い方など店舗によって様々ですが、おいしく安全に食べるためにはトングの使い方が大事だということをご存知でしょうか?
何気なく使っている道具が実は間違った方法で使っていた、というケースは意外とよくあることです。
まずは、今回の内容を読んでみて、道具の間違った使い方をしていないか確認してみましょう。
そして、トングを正しく使って、おいしく安全に焼肉をしましょう。
焼肉ロースターを使って食材を調理するとき、「どんな方法で火を通すか」「どんな火加減で火を通すか」といったところに意識がいってしまう方が多いと思います。
それももちろん大事なことですが、焼肉ロースターで調理する食材は生ものであることが多いので、最も気をつけて欲しいのは衛生面です。
大事なのは安全性を維持した上でおいしく焼き上げることです。
焼肉で注意しなくてはいけないのが、生肉に付着した菌が箸などを伝って口に入ることにより、食中毒になってしまうというパターンです。
トングを正しく使って焼肉ロースターで焼く方法を身につければ、これらを防ぎながら安全に食べることができます。
そのための大事なポイントをご紹介します。
生肉の表面は焼肉ロースターでちゃんと焼きましょう。
生肉の表面には、O-157のような菌が付着していることがあります。
こういった菌は、肉の内側ではなく外側にいるので焼肉ロースターで表面を焼くことで殺菌でき、安全に食べることができます。
(O-157の場合、75℃で1分間以上の過熱が目安とされています。)
先ほど、生肉の表面に菌が付着しているので、焼肉ロースターで表面をしっかり焼くことが安全に繋がるということをお伝えしました。
しかし、ホルモンなどの内臓の肉に関しては内側にも菌がいるので中までしっかり火を通す必要があります。
通常の肉のように表面だけに気をつけるのではなく、中心まで火が通っているか意識しましょう。
トング、または箸を使って焼くときは使い分けましょう。
大事なのはトングを正しく使って、菌を口に入れないことです。
菌が付着した箸と食べるときの箸を一緒にしてしまっては、いくら焼き方に気をつけていても意味がありません。
焼肉ロースターで安全に食べるには、トングと箸を使い分ける方法が非常に有効です。
とても重要な部分になってくるので具体的にご紹介します。
焼肉屋さんで注文をすると席まで食材が運ばれてきます。
その後、それぞれの食材を好みの加減で焼き上げて食べることになります。
焼肉ロースターで食材を焼いてから食べるまでには、注意する場面が4ヵ所あります。
この4ヵ所はそれぞれトング、箸のどちらを使うのがいいのでしょうか?
正しい方法について詳しく解説します。
まず生の食材を掴むときはトングを使いましょう。
生肉などを掴んだときに食材からトングに菌が付着してしまいます。
ここからの使い分けが重要なので、しっかりと確認してください。
焼肉ロースターで表面をしっかり焼くために、食材をひっくり返しますが、このときも先ほどと同じトングを使ってください。
「焼き上がった面もあるのにさっきと同じトングでいいのか?」そう感じた方もいらっしゃると思います。
愛知県の保健所が検証した焼肉を安全に食べるための食肉の取扱い方法の検証の結果によると、同じようにひっくり返して焼き上げた食材からは菌は検出されなかったようです。
菌の付着がどうしても気になる場合は、複数のトングを使うといいでしょう。
焼肉ロースターでしっかり火を通し、表面が焼き上がった食材や、中まで火が通ったホルモンなどは菌の心配がないので自分の箸を使って取り皿へ移しましょう。
このときにトングを使ってしまうと、菌が付着してしまう可能性があるので気をつけてください。
相手に取り分けてあげるときは、新しいトングや取り分け用の箸を準備するのがおすすめです。
ここまで注意をすれば、あとは食べるだけです。
焼肉ロースターでおいしく焼けた食材を自分の箸を使って食べましょう。
焼肉では食材やロースターを使ってどのように焼くかということに気をとられてしまいがちですが、トングの使い方こそが、おいしく安全に食べるためのポイントです。
ロースターの使い方以外にも、焼肉ではトングの使い方が重要だと気付いてもらえたのではないでしょうか。
おいしく安全に食べるためのトングの大事な使い方をしっかりと知ってもらうことができれば、満足度が上がりリピーターにも繋がることでしょう。
トングの使い方を理解してもらった後は、食材の焼き上がりについて知ってみるのはいかがでしょうか。
焼き面による違いはこちらでまとめているので、よければご覧ください。