おいしい食事を提供するのは飲食店で大事なことですが、同じくらい大事なことに火気の取り扱いがあります。
特に焼肉店ではロースターなどの多くの火気を取り扱うことになります。
テーブルごとに無煙ロースターを設置している店舗も多く、火気の取り扱いには気をつけなくてはいけません。
そんな火気にまつわるお話ですが、焼肉店を経営されている方はダクト火災というのを聞いたことはありますか?
焼肉店の火災の多くがダクト火災によるものだとも言われています。
軽視してはいけないものなので、正しい知識でダクト火災について知っておくことが対策に繋がります。
大きな事故にならないためにも、この機会にしっかりと学んでおきましょう。
無煙ロースターを扱うことになれば、ダクトを設置することになります。
つまり、無煙ロースターとダクト火災は密接に関係しています。
この事実を知った上で、正しい知識を身につけて対策が取れるようにしていきましょう。
それでは、以下の順で詳しくご紹介していきます。
ダクト火災は厨房などにある排気用のダクト内に油や埃が溜まり、そこに火が引火することでダクトの内部で火災が発生することです。
油を大量に使う大型厨房や食品加工工場などでよく発生するので、無煙ロースターやダクトの設置数が多い焼肉店において気をつけるべき火災です。
ダクトそのものや無煙ロースターが燃えるわけではありませんが、天井や床下に配置されたダクトで火災が発生しても直接見えないことがあるので、気付くのが遅れて被害が拡大してしまう危険性があります。
ダクトの内部の火災だから被害は少ないだろうと侮ってはいけません。
火災が起こり消火活動を行うときは、小さな火災であっても天井や床を解体して直接ダクトの内部に放水することで消火します。
そうなれば店舗の改修や無煙ロースターなどの設備にも影響が出ます。
また、自分の店舗だけでなく近隣の店舗や人々を避難させることになり、補償問題にも関わってきます。
最悪の場合はダクトが他の階まで繋がっていることで、延焼を招いてしまいます。
このように、決して軽く考えてはいけない火災の一つです。
実際に火事が起こってしまうとどんな被害が起こるのか整理してみましょう。
こういった被害に発展することを考えれば、未然に防ぐための対策がどれだけ大切かよくわかりますね。
火災を防ぐための対策方法はシンプルです。
無煙ロースターの上下に設置されているダクトの内部の油や埃を除去するメンテナンスを定期的に行うことです。
実際にどのようなポイントに気をつけていけば良いのかご紹介します。
無煙ロースターを使う場合は、店内の空気を排出するための換気扇やファンを回していると思います。
無煙ロースターから出た煙やオイルミストがなかなか上手く排出されなかったり、店内にこもってしまったりする場合は要注意です。
そういったときはダクトの内部に汚れが溜まってしまっている可能性が高いので、早急に油や埃の除去が必要です。
排気される空気はダクトの内部を通る前に、フィルターという部分を通過します。
厨房の空気や無煙ロースターの煙などが最初に吸い込まれる部分なので、目視でも確認できる箇所です。
フィルターでは無煙ロースターなどの油を含んだ煙や、油塵といった油汚れが溜まります。
こういった汚れがあるとちょっとした火柱で引火、延焼する恐れが出てきます。
汚れがある場合は空気の通りも悪くなるので電気代のコストも掛かるようになります。
稼動していない無煙ロースターがあれば、営業の隙間時間などを使い小まめに清掃した方が良いでしょう。
排気口の出口が油で汚れている場合は、ダクト内部がかなり汚れている可能性があります。
ダクトの継ぎ目から油が漏れている場合も同様に危険な状態のサインです。
もしこのような状態になっていれば、いつ火災が起こってもおかしくない状況だと認識しましょう。
無煙ロースターの上下だけでなく、こういった箇所を注意しながら点検することが大事です。
無煙ロースターと結びつきの強いダクト火災も、きちんとした知識を持って対策することで未然に防ぐことができます。
ダクト火災はしっかり対策をすることで防げるので、メリットの多い無煙ロースターを安全に使うことができます。
無煙ロースターを扱わない店舗でもダクトがあるようなら、同様に気をつけて対策するべきです。
無煙ロースターを上手に活用するためにも、対策はしっかり行い、お客様に喜んでもらえる店舗作りをしていきましょう。