焼肉屋では七輪を使って焼く店舗と、焼肉ロースターを使って焼く店舗があります。
七輪と焼肉ロースターでは、それぞれの特徴が異なります。
どちらかが優れているというわけではなく、それぞれのメリットがあるので違いについてご紹介したいと思います。
七輪や焼肉ロースターは店舗のスタイルを大きく左右する設備の一つです。
しっかりと特徴を理解してから導入した方が、設備の良さや店舗の良さを引き出し、他店との差別化をすることができるでしょう。
設備投資を考えている方で七輪や焼肉ロースターのどちらを導入しようか迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
まず、設備を考える前に大事になってくるのは、どんな雰囲気の店舗にしたいか、どんな提供の仕方をしたいか、何を売りにするか、といったことです。
これらがしっかりと決まっていれば、設備を選びやすくなります。
目指す方向性によって、七輪や焼肉ロースターが持つメリットやデメリットが逆転することがあるからです。
もし、まだはっきりと決まっていないという方は、よく読んで特徴を知ってからでもいいので、目指す方向性についても改めて考えてみましょう。
七輪と焼肉ロースターでは熱源が違ってきます。
この熱源の違いが後で紹介する、食材の焼き上がりやランニングコスト、メンテナンス性に関わってきます。
まずは七輪から順に熱源をご紹介していきます。
七輪といえば皆さんが思い浮かべるように、炭を熱源として使います。
一言で炭といっても七輪で使うものはいくつか種類があるので簡単にご紹介します。
【マングローブ炭】
ホームセンターで売られていることも多い一般的な炭です。
特徴としては煙が上がりやすいですが、炭にしては着火しやすいので初心者でも扱いやすい炭です。
【オガ炭】
オガ屑を成形して作り出した炭です。
価格は安価で火持ちがよく、後で説明する備長炭に似た性質があります。
備長炭に比べると火はつけやすいですが、火がつくまで時間が掛かります。
【黒炭】
マングローブ炭より効果ですが、その分火持ちがいい炭です。
比較的火持ちもよく、炎や煙などもあまり出ず、整った形が多いので火力調節をしやすいでしょう。
【備長炭】
最も知名度が高く、高級とされる炭です。
なかなか火がつきませんが火力が強く、火持ちがいいのが特徴です。
穏やかに長時間燃えますが、空気を送れば温度を上げることができます。
焼肉ロースターは基本的にはガスを使います。
そのガスを使いながら鉄板やセラミック、溶岩プレート、炭を熱くして焼き上げます。
焼肉ロースターでも炭を使えるのですが、主流はオガ炭になります。
焼肉ロースターは厳密には熱源を何にするかによって変わってきますが、七輪の特徴と比べてみたいと思います。
七輪で焼く炭の料理がおいしそうなイメージがありますが、それは赤外線の効果です。
これにより、食材の外側はしっかり焼き上げつつも、中まで火を通すことができます。
七輪を使うとその炭からの赤外線だけでなく、七輪自体からも赤外線が出るのでおいしく焼き上げられるといわれます。
焼肉ロースターの場合はガスを燃焼させているので、化学反応で水が生まれてしまいます。
炭に比べて仕上がりがしっとりして感じるのはこのことからです。
ですが、焼肉ロースターを使用する場合も、炭式や溶岩式を使えば十分な赤外線を出すことができるため、七輪の焼き上がりに近づけることができます。
ここでは使い続けていく上でのコストとメンテナンス性について、七輪と焼肉ロースターを比べてみたいと思います。
ランニングコストの面では焼肉ロースターが有利な場合が多いでしょう。 理由は大きく2つあります。
1つは七輪の場合は炭代が掛かり、備長炭を使う場合はどうしてもコストが高くなってしまいます。
もう1つは、七輪の場合食事の途中で火を消すことができない点です。
これにより炭のロスと店内の温度が上がるため空調代も増える傾向があります。
七輪はメンテナンスはほとんど必要がありません。
七輪の底に残った灰を捨てるだけです。
ただし、七輪は基本的に補修ができないので使い捨てになります。
焼肉ロースターの場合はそれぞれ仕組みによって変わりますが、通気口や受けの部分を定期的に掃除する必要があります。
メンテナンスの特徴は機種によって変わるので、導入前には調べてみましょう。
まだ迷っている方に、七輪と焼肉ロースターのそれぞれだけが持つ特徴をご紹介します。
これに当てはまる方はどっちを選べばいいかにすぐ決まることでしょう。
備長炭を使いたいなら七輪にしましょう。
「備長炭で焼肉」という売りなら七輪がいいでしょう。
無煙焼肉ロースターを使いたいなら焼肉ロースターにしましょう。
煙対策がされた快適な空間で焼肉ができるのはメリットです。
無煙焼肉ロースターなら、最も手軽に煙のない、空調がしっかり効いた店内にすることができます。
比較してみて自分にはどっちが向いているか決まりましたか?
それぞれの特徴をご紹介しましたが、店舗スタイルや環境によってどっちが向いているか変わってきます。
まだ迷ってしまうという方は、もう一度店舗スタイルについて考えてみると判断しやすくなるでしょう。
ぜひ参考にしてそれぞれの店舗に合ったものを選んでみてください。