焼肉店を経営していると煙対策の問題は切っても切れない関係にあります。
焼肉をする時の環境やどういったロースターを使うかで煙の出方は違ってきます。
煙は少しであれば雰囲気作りや、料理をおいしくすることに役立ちますが、やはり少ない方がメリット多いでしょう。
煙が出る理由を知ればより効果的に対策ができます。
そこで今回は、焼肉ロースターの煙を減らす方法をご紹介します。
焼肉店で困っている方は参考にしてみてください。
まず対策方法の前に、焼肉をする時に出てくる煙の正体をご説明します。
焼肉ロースターでは何かしらの熱源を使うと思いますが、きちんと酸素が足りた状態で使用すると煙が出ることはありません。
煙は十分な酸素が供給されないまま燃焼した時に出ます。
焼肉ロースターでガスや炭を使って焼いている時に燃焼を妨げるものの一つとして「油」があります。
焼肉ロースターのガスや炭などの熱源に油が落ちることでうまく酸素が取り込まれなくなり煙が発生します。
この事に注目して対策をすることが大事です。
ちなみに、油が細かい霧状になり空気中に漂うものをオイルミストといいます。
これは臭いのもととなったり、換気扇や床や壁に付着することでべたべたとした汚れになったりします。
油対策は、臭い対策にも共通しているといえます。
焼肉ロースターで焼肉をする場合、野菜や海の幸を焼くことがあると思いますが、メインの肉は最も油が出やすく、煙の量は部位によって異なります。
ロースターで焼いているときに煙が出やすいのは脂身が多い部位です。
サシが多く入った部位やホルモンなどはどうしても煙や臭いが出やすくなってしまいます。
焼肉店によっては肉をタレにつけて提供しているところがあります。
事前に漬けることによって味がよく馴染み、食欲をそそるお肉になります。
ただし、この場合も煙が出やすくなってしまうので注意が必要です。
煙を抑えたい場合は、焼いた後にタレをつけて食べるような提供スタイルにすることをおすすめします。
油が煙状になるオイルミストは焼肉ロースターの温度によっても変わります。
油の温度が220℃を超えるとオイルミストが発生すると言われているので、温度を200℃に保ちながら焼くことができれば発生を大幅に抑えることができます。
注意点は、通常より温度が低くなってしまうので生焼けになってしまうことと、焼き上がりに差が出てしまうことです。
必要以上に加熱しないようにする、焼肉ロースターに食材が乗ってない状態は温度を下げるといった対処方法でも効果があるでしょう。
肉が焼かれると肉汁や油が出てきて、それが焼肉ロースターの熱源に触れることで燃焼が妨げられ、発生の原因となっていました。
直接、油が下に落ちてしまう構造の焼肉ロースターだとどうしても煙が出やすくなってしまいます。
それを避けるために、油が直接熱源に当たらないような構造のものがあります。
グリルプレートなどによく採用されている方法ですが、プレート自体に傾斜がついており、油が一箇所に集められることで、熱源に触れないようにするものがあります。
直接触れることがないので煙の発生を抑えられ、油を逃がす構造のから油を必要以上に加熱することもなく、2重で発生を抑えられているといえます。
熱源に油が直接触れないよう、網やグリルと熱源の間に水を溜めるタイプがあります。
先ほどのプレートの場合と同様に、油が直接熱源に当たらず、熱せられ続けて煙化するのを防ぐことができます。
共通しているポイントは、火の元に油を落とさないという方法です。
「無煙焼肉ロースター」といった煙対策がされたものがあります。
設備を導入する前であれば、こういった焼肉ロースターを使うことで効果的な対策を行うことができます。
焼肉ロースターに備えられている吸気システムをつたってダクトを通り、店の外に排気する方法です。
居ぬきの場合や、ダクトが既にある場合は得におすすめの方法です。
煙が多い環境ではフィルターなどを使い、近隣からの苦情とならないような対策を併せて行うといいでしょう。
ダクトを使わずに焼肉ロースター自体で煙を吸い込み、ろ過する方法です。
ダクト配管が難しい場合や、店舗の契約上に配管できない場合などにおすすめです。
長期的な目線では無煙焼肉ロースターを使うのが、手間やコスト、満足度からもおすすめできます。
対策をきちんとしていないと、お客様のストレスが増え満足度が下がるだけでなく、店舗の空調の効きが悪くなることがあります。
お客様が自分で肉を焼くスタイルの焼肉屋では、すべての対策を講じていても環境によっては煙が出てしまうことがあると思います。
それでも店舗ごとの環境に配慮した対策をとっていれば、お客様の満足度は上がってくるでしょう。
おいしい食事だけでなく、快適な空間で楽しんでもらえるようにお客様に配慮したお店作りをしてみてはいかがでしょうか。